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2013年6月

本当に怖い!歯周病
全身に悪影響を引き起こすことをご存知ですか?
実は歯周病は口の中の病気のひとつではありますが、身体の中の様々な
状態とも関連しているため、全身へも影響を及ぼすと言われています。
歯肉は体の中でも非常に敏感な組織です。またお口の中は全身の中でも
微生物、細菌などが最も多く存在している場所でもあります。そしてあらゆる
全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘されています。
歯周病との関連を挙げられているものには呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病
や妊娠などがありますが、なかでも糖尿病との関連は深く糖尿病は歯周病を

悪化させる大きな原因のひとつでもあるのです。

歯周病のリスク要因
歯周病の発症と進行には、最大のリスク要因である『歯周病菌以外に、体質など
『遺伝要因』と喫煙、ストレス、不規則な生活習慣などの『環境要因』が関わっ
ています。これらの要因が重なると、重症化しやすくなります。
生活習慣改善を行うことにより歯周病リスクを軽減することは可能です。今一度、
『環境要因』を見直し、自覚症状のないまま進行する歯周病リスク軽減に努めましょう!
喫  煙 喫煙は血管を収縮させ、歯ぐきの血行を悪くさせます。そのため、歯周病
        に対する抵抗力が低下し、症状が悪化してしまいます。
ストレス 精神的ストレスのせいで体の抵抗力が弱くなったり、生活習慣が変化
       したりすることで、歯周病が悪化しやすい状態になります。
▼食習慣 甘いもの、やわらかいものは歯につきやすく、これらを多く食べる 習慣
       は歯垢(プラーク)の増殖に拍車をかけます。また、食事が不規則で
       あったり、嗜好品の飲食は口腔内を酸性に傾け、むし歯の原因となります。 
          
 歯周病が誘発する気になる疾患  
   ◆糖尿病  歯周病は糖尿病の合併症として捉えられています。糖尿病の人は炎症性の病気が起こりやすく、直り難いため、
           糖尿病でない人に比べて歯周病になるリスクが高くなります。また、歯周病の治療によって歯ぐきの炎症が改善
           すると、インスリンが働きやすい状態になって、血糖値が改善する可能性があるという報告があります。         
   ◆心疾患   歯周病が重篤であればあるほど、最終的には心不全となる細菌性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞に繋がる冠状
           動脈疾患などになるリスクが高くなるとも言われています。歯周病によって歯ぐきで産生された炎症性物質が血
           流を介して心臓血管にも影響を及ぼすためと考えられています。
   ◆早期低体重児出産  妊娠中の女性は、つわりによって口腔清掃が不良になりやすいため、歯周病に罹りやすくなります。
           妊娠中の女性で歯周病の人は、そうでない人に比べて低体重児出産や早産する確率が高いことが報告されて
           おり、その原因として歯周病による炎症性物質がへその緒を通じて胎児に影響するため、早期低体重児出産
          の確率が高まると考えられています。
  その他誤嚥性肺炎、骨粗鬆症にも多大な影響を与えています。                    
  
口に関することわざ等
病従口入(びょうじゅうこうにゅう)
中国のことわざで本来の意味は、悪いものを食べると病気になるというものですが、別の面から
考えると口中の健康管理もこれに習い、歯みがき、歯ぐきの手入れなどを怠ると歯周病への
階段を登ることになると言ってもいいのではないでしょうか。
唇歯輔車(しんしほしゃ)
この意味は、「輔」はほお骨、「車」は歯ぐき。相互の利害が密接で、一方が亡びれば他方も
立ちゆかないような関係のたとえ。ほほ肉ではないですが、歯と歯ぐきの関係と同じですね。
豆腐で歯を痛める
「あるはずのないこと」を表すたとえですが、本当にこのようなことがないよう、歯と歯ぐきのセルフ
ケアをお忘れなく。