急速な少子高齢化をはじめ、経済の低成長、国民生活や意識の変化といった状況に直面する中、国民皆保険制度を将来にわたり持続できるようにするために、医療保険制度の改正が順次実施されています。第1回目(平成18年10月)、第2回目(平成19年4月)に続き、平成20年4月に第3回目の改正が実施されます。内容は主に以下のとおりです。

1.小学校入学前まで窓口負担が2割になります
2割負担は3歳未満乳幼児だけでしたが、対象年齢が小学校入学前【注1】まで拡大されます。
【注1】6歳に達する以後の最初の3月31日まで

2.高齢者医療制度がかわります
 
75歳以上(又は65歳以上の寝たきりの方)の被保険者・被扶養者の方は、ワールド健康保険組合から離れて、被保険者として後期高齢者医療制度に加入することになります。
後期高齢者医療制度に加入することにより、現制度で被扶養者であった方も保険料を負担することになります。
後期高齢者医療制度
保険者
都道府県の区域ごとに全市区町村が加入する”広域連合”が運営
対象者
75歳以上の方全て
(又は65歳以上の寝たきりの方)
自己負担
(窓口負担)
医療費の1割
 (現役並所得者※1は3割)
 ※1課税所得145万円以上
保険料
被保険者の「人数に応じた部分」と「所得に応じた部分」で構成され、各広域連合において、原則均一保険料
保険料納付
年金からの天引き、納付書や口座振替
財 源
公費:約5割
健保組合からの支援金:約4割
後期高齢者の保険料:約1割
前期高齢者医療制度

健保組合や国民健康保険などの医療保険者間で財政調整を行うしくみで、ワールド健保に加入したままこの制度の対象となります。

保険者
ワールド健康保険組合
対象者
65歳〜74歳以下の方
自己負担
(窓口負担)
70歳未満・・・・・・・・・・・3割
70歳〜74歳以下・・・・・1割※2
 ※2平成21年4月から2割
 
(現役並所得者※3は3割)
 ※3標準報酬月額28万円以上

3.高額医療と高額介護の合算制度が創設されます
医療保険と介護保険の自己負担限度額を合算し、新たに設定される自己負担限度額を超えた場合、
超えた額が支給される《高額医療・高額介護合算療養費》制度が新設されます。
◆合算の期間:毎年8月1日〜翌年7月31日の12ヶ月間
 ※平成20年度のみ、平成20年4月〜平成21年7月の16ヶ月間で算定されます。
高額医療・高額介護合算療養費の限度額<12ヶ月間:一般所得者の場合>
年齢区分
自己負担限度額
(健康保険+介護保険)
75歳以上の世帯
56万円(75万円
70歳〜74歳がいる世帯
62万円(83万円
70歳未満がいる世帯
67万円(89万円
 
 
(  )内は、平成20年度
 の場合の限度額です。
 
 
●1世帯に異なる年齢区分の方が混在する場合等は、別途細かく取り決めがあります。
 
4.療養病床【注2】に入院する65歳〜69歳の食事・居住費が自己負担になります
これまでは、70歳以上の方は負担することになっていましたが、
平成20年4月以降は、65歳以上の方も負担することになります。
【注2】慢性期の疾患で長期療養される方のための病床。
 
5.40歳〜74歳の全ての被保険者・被扶養者に対する
                   特定健診・特定保健指導が義務化されます
◆新しい健診は、これまでの病気を発見するための健診ではなく、予防のための生活改善が必要かどうかの判定値を設けた健診内容になっています。メタボリックシンドロームの根絶と、その他生活習慣病、心筋梗塞、脳卒中などによる突然死に歯止めをかける狙いがあります。
◆40歳を過ぎると身体機能の衰えが目立ってきます。脂肪処理能力低下などこれまでと同じ生活習慣では対処しきれないことがからだにおこってくるため、変化するからだに応じた生活に変えていくことが重要になってきます。特定健診・特定保健指導は、そのサポートをする新しいシステムです。
詳細はこちらをご覧下さい。⇒ 特定健診・特定保健指導

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