【健口(けんこう)ワールド宣言】・・・  

歯とタバコ②

前回の歯とタバコ①では、喫煙がもたらす歯への悪影響をまとめました。
今回は、受動喫煙が及ぼす歯への悪影響についてまとめてみます。

◎受動喫煙による歯への悪影響

受動喫煙とは、本人が吸う「主流煙」ではなく、タバコの先からたちのぼる「副流煙」を吸い込んでしまうことをいい、健康に様々な悪影響を及ぼすことが明らかになっています。その悪影響は当然、同居するご家族(特に小児や胎児)の歯の健康にも及びます。

一般的に、小児・胎児に対する受動喫煙は、気管支喘息などの呼吸器疾患、中耳疾患、胎児の発育異常等の危険因子となります。同時に喫煙者がいる家庭の小児は、むし歯が増え、歯周病になる確率が極端に高くなることもわかっています。これは、ニコチンの副産物であるコチニンの血液中の濃度が高くなり、感染への抵抗が弱くなるためと考えられています。
また、受動喫煙により、こどもの歯肉にもメラニン色素沈着のリスクも高まります。この歯肉のメラニン色素沈着は、喫煙が影響を及ぼす他の臓器や疾患と異なり、比較的見やすい部位にあることから、発見しやすいという特徴があります。
このことは、受動喫煙が身体への影響の大きさを示す重要なサインとなります。

結局、ご家族がタバコを直接吸わなくても、受動喫煙により、喫煙と同じく 血行不良を引き起こし、口腔内の血行不良から歯周病リスクが高まります。 
小さなお子様であるほど、その悪影響は計り知れません。

◎禁煙のすすめ

禁煙することは、ご本人にとって様々なリスクが減少するだけではなく、大切なご家族や、職場の同僚・友人の健康にも良い影響を与えます。
健康保険組合では、タバコの害から「大切な人の歯の健康を守る」ためにも、皆さんの禁煙支援に取組んでいます。