2014年7月

もし、歯が抜けてしまったら・・・

歯を大事にしたい、歯を健康な状態で長く残したいと考えていても、お手入れが不十分であれば、むし歯や歯周病により40代〜50代のうちに歯を失ってしまう場合があります。

その時は、できるだけ早く歯科医院に行き適切な処置により、よく噛めるお口の状態に調えておくことが大切です。
歯を抜けたままの状態で放置しておくと、さまざまな悪影響が出てきます。

①お口のなかの悪影響

奥歯の下の歯が一本抜けた場合、まずこれまでその歯と噛みあっていた上の歯が下に伸びてきます。
(抜けた歯と噛みあっていた歯は、噛み合わせの相手がいなくなるので、このような状態になります。)
一方で抜けた両隣の歯は、支えがないため歯が抜けた方向に倒れてしまいます。 徐々に噛み合わせが狂い、正しい噛み合わせが出来なくなり、そのズレは顎関節症の原因となり あごの関節の痛みといった症状へとつながります。 またプラークもたまり易くなることから、むし歯や歯周病ができやすい口内環境へと変化していきます。

②噛み合わせが悪くなることの影響

噛み合わせが悪くなる影響により、うまく発音ができなくなり、人との会話が億劫になるなど、日常の生活にも支障をきたしてきます。
ある調査によると、奥歯の噛み合わせがしっかりしている人は、そうでない人に比較して瞬発力、跳躍力、筋力ともに15%〜20%高いという結果が出ています。噛み合わせが悪くなることは、身体能力にも大きな影響を及ぼします。

③よく噛めなくなることの影響

動物の中で、唯一食事を味わうことが出来るのは人間だけです。味わって食べるという事は、生きてゆくための水分補給や栄養摂取だけが目的ではありません。おいしく食べると満足感が得られ、ストレスの解消にもつながり、心の安定を保つことになります。
でも歯が抜けたままの状態では、噛む事すら満足に出来ず食事を楽しむことができません。
知らず知らずのうちに身体のみならず、精神面にも悪影響を及ぼしていく可能性があります。

以上のように、例え1本の歯の欠損であっても、そのままの状態で放置しておくことはNGです。
歯を一本失うと、噛む力は半分になると言われています。
従って、もし歯を失っても義歯により噛む力を補い、よく噛める状態にしておくことが大切です。
歯科医院で適切な処置をすれば、例え義歯でもよいお口の状態、お口の健康な状態は保てます。
人間にとって、自分の歯で自分の口から食事することは何よりも大切なことです。