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2013年5月

タバコと歯周病
喫煙は、癌、循環器疾患(心臓病、脳卒中)、呼吸器疾患(肺気腫、喘息)などの
多くの病気の原因であることはよく知られています。また、タバコの煙の入口とな
る消化器としての口腔、特に、歯肉を含めた歯周組織は、直接、その影響を受け
ることになり、歯周病も同じように、喫煙と関連性が強いことは多くの研究により
支持され、喫煙は、糖尿病と並んで、歯周病の二大危険因子となります。
歯周病とは
歯周病は歯のまわりの組織(歯周組織)の病気で、歯茎が赤く腫れたり出血したりする歯肉炎と、
炎症が進み歯を支えている骨までもが吸収され、歯周組織が破壊される歯周炎を総称して
歯周病と言います。歯周病が進行すると、歯茎や歯槽骨などの歯周組織が破壊され、歯が
揺れて噛めなくなり、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯が抜ける原因となる一番多い病気と言われています。
特に、喫煙者は歯周病に3〜8倍程度罹りやすいといわれています。
 
 喫煙が悪い理由
   1.タバコに含まれる化学物質が歯茎の血行不良や、歯茎を硬くすることで
     歯肉炎・歯周炎の症状に気づきにくくなる
   2.喫煙者は末梢血への影響があるので、歯周病の治り方がわるくなる
    タバコは歯周病になりやすくするばかりでなく、気付きにくくし、また治りにくくする
    原因と言えます。
    
  禁煙による効果
喫煙の歯周組織への影響は、比較的若い年代からあらわれ、しかも発見しやすい部位
にあります。歯肉の色素沈着、歯の着色、口臭などが特徴です。
禁煙は、歯周病を予防し、たとえ進行した歯周炎であっても、治癒が促進され、歯の喪失
が抑えられることも明らかにされてきています。

歯周ポケット
歯周ポケット内に溜まった口の汚れ(プラーク)の中では細菌が繁殖しやすく、硬くて
歯ブラシではとれない歯石もできて、歯茎の炎症を進めます。その結果、歯を支える
土台である歯槽骨を溶かしてしまいます。
つまり歯周ポケットが深いということは、歯を支えているはずの歯槽骨がなくなっている
ことを表します。
人の歯の根は長いものでも10数ミリですから、6ミリ以上溝に囲まれているということは、
歯が不安定な状況にあることを意味します。